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マインドセット(発想)を変える:金属サポート生成の自動化による材料使用の最適化と、製造業者にとって3Dプリントをより経済的に実現可能にする方法

3 分で読めます|出版 10月 14, 2024
3Dプリントされた金属製の小さな正方形を持つ手袋をはめた人。

アディティブ・マニュファクチャリング(AM)は、不可能を可能にする生産ソリューションです。製造業者これを活用して、最も大胆なアイデアを実現し、極めて複雑な形状を現実のものとしています。しかし、それは完璧ではありません。特に後処理工程の段階では注意が必要で、いくつかの落とし穴に直面することがあります。過剰にサポートを設けると、必要以上の材料を使用することになり、その結果、作業者にとって不必要な負担が増えてしまいます。このような課題を克服するための理想的なソリューションとは?それは、金属サポート生成の自動化です!

マインドセット(発想)を変えるシリーズ

前回の「マインドセット(発想)を変える」シリーズ記事では、今まで築き上げたものを変えることへの抵抗によって、非効率なワークフローや従業員のスキルギャップが引き起こされることが多いというテーマを扱いました。多くの場合、人々は血と汗と涙を注いで築き上げた生産プロセスを大きく変えることに対して抵抗感を持ちます。そして、この方法は過去には十分に機能していました。しかし、 Materialise e-Stage for Metal+ のような技術革新は、従来の考え方を根本から変えるものであり、サポート生成を自動化することで金属3Dプリントにおける効率性、再現性、信頼性を高める画期的なものです。さらに、企業にとっても経済的かつ持続可能な方法を提供します。

3回にわたる連載の最終回では、サポート生成に対する考え方を変え、自動化ソフトウェアを採用することで、材料の消費を抑え、より正確な造形を実現する方法について探ります。

シリーズの他の記事もご覧ください:

サポート生成の自動化が後処理工程を効率化し、材料消費を削減させる方法

従来のブロック・サポートの場合、一般的にマシン・オペレーターは、どれだけのサポートが必要で、どれだけ取り外しが難しいかを考えなくてはなりませんでした。こうした多くの場合、サポートは過剰に付けられてしまいがちになり、結果的に、過剰な材料使用につながる原因となります。また、パーツの精度や表面の仕上がりといった他の重要な要素が十分に考慮されないことがありました。自動サポート生成ソフトウェアは、このような悩みを解消し、必要な箇所にだけ適切な量のサポートを生成することで、大量生産においても再現可能な部品を造形することが可能です。さらに、この自動化されたソフトウェアは、粉末の除去やパーツ・サポートの取り外し、プレートの再表面加工といった、特に重要な後処理工程において大いに役立ちます。

良い部品とは、繰り返し、正確に、予算内で造形できるものです。経済的に見合わないのであれば、造形する意味がありません。だからこそ、私たちはより優れたツールを使い、金属3Dプリントのプロセスにおいて、技術的な推測や見立てに時間をとられずに再現性のある結果を確保する必要があります。

— Materialise Software事業部 金属テクノロジープラクティスリーダー、Ian O'Loughlin

e-Stage for Metal+のオープンなサポート構造により、粉末はサポート構造体から直接装置に流れ出ます。結果、より多くの粉末を回収して再利用することができます。さらに、より多孔質の構造でも健康と安全の面においても有益です。技術担当者は、余分な材料を取り除くために、標準的ではない手法(例えば、小型の手工具を使用して粉を取り外すなど)を使ったり、余剰な粉を満載した重いプラットフォームを作業場内で運ぶ必要がなくなります。さらに、放電加工(EDM)が必要な場合、未焼結の粉末がサポート内に時折閉じ込められ、EDMのショートや再スレッディング(ねじ切り)の原因となりますが、e-Stage for Metal+を使用することで、この問題を回避できます。

手袋をはめた人がペンチを持ち、3Dプリントされた部品から金属のサポート構造を取り除こうとしている。

「このソフトウェアは、作業を簡単にするだけでなく、リスクを軽減する方法でもあります」と、Materialiseソフトウェア北米の地域アカウントマネージャーであるChris Jastrzembskiは述べています。「せっかく苦労して造形したパーツを装置から取り出した後、壊れるのを見るのはつらいです。プロセスの終盤でパーツを廃棄するのは避けたいものでそれは非常に落胆させられます。e-Stageは人為的なミスのリスクを軽減します」と彼は言います。

人為的なミスを減らすことは重要であり、不要なサポートを最小限に抑えることも同様に大切です。これらの要素は、後処理におけるサポート除去のコストに大きな影響を与えます。

「長年にわたり、オペレーターはどんどんサポートを追加し、結果としてパーツに対する過剰なサポート付けを行っていて、 造形がうまくいったとしても、過剰な材料使用による巨額のコストと、パーツを損傷するリスクが増大するという代償を払っていました」。Materialise SoftwareのメタルテクノロジープラクティスリードであるIan O'Loughlinは続けます。「しかし、e-Stageの極めて微細な構造により、基本的な手工具でも簡単に除去できるようになりました。これにより、後工程にかけていた経費を減らし、材料消費を抑えることができるため、環境にも財布にも優しくなったのです。」

薄いサポート構造は後処理の時間を短縮し、プレートの再表面加工を可能にします。また、従業員の士気を上げ、全体的な部品の品質向上にも寄与します。「サポートの取り外しが簡単なので、チームは無駄な待ち時間を減らし、作業を効率的に進めることができます。これにより、運用がスムーズになり、納期が短縮され、さらには表面処理コストの最大3分の1を節約できるのです!」とChrisは言います。「e-Stageとe-Stage+には大きな違いがあります。私たちはソフトウェアのレベルアップを通じて、優れたソフトウェア・ソリューションをさらに向上させました。繰り返し行われるデータ修正の回数では常にe-Stage+が勝っており、時にはかなりの差がつくこともあります。従来の方法と比較すると、その差は非常に大きく、繰り返しのデータ修正作業を5回から1回に減らすことが可能です。さらに、e-Stage+はサポート形状が針状のため、1本あたりの接触面積が少なく、後工程で過剰な研磨が不要になります。そのため、表面品質への影響が最小限に抑えられます」とIanは付け加えました。

サポート生成の自動化が経済的な成果を生み出す方法

この記事シリーズでご案内したように、非効率なワークフロー、技術担当者のスキル格差、過剰な材料消費は、レーザー粉末床溶融(LPBF)生産を妨げる要因となります。しかし、流れに逆らい、異なる考え方を採用することは、金属3Dプリントを少しでも簡単にするための第一歩となります。1つの方法としては、e-Stage for Metal+のような新しい技術を受け入れることです。  
こうした要因を軽減したい企業にとっては理想的なソリューションであり、製造業における金属3Dプリント技術の導入率の向上にも貢献するでしょう。

「この先進的なツールは、金属3Dプリントをより身近なものにします。そして、知識不足の市場で学習曲線が大きいものを扱う際には、それは大いに意義があります」と、Materialise Softwareのアカウントマネージャー、Stephen Howardは述べています。

「また、良い部品とは、繰り返し造形でき、正確で、予算内に収まるものです」とIanは述べています。「経済的に採算が合わなければ、部品をプリントする意味がありません。私たちは、より良いツールを使い、金属3Dプリントプロセスから推測を排除して正確な判断や決定ができるようにする必要があります。e-Stage+はそのためのツールです。」

より優れたツールが市場に出回ることで、部品あたりの価格が下がり、導入率が劇的に向上します。これにより、企業は金属3Dプリントの可能性を最大限に活用し、製造業の主流に押し上げることができるでしょう。そのためにも、新たなマインドセット(発想)を持つ時です。時代の変化に柔軟に対応していきましょう。自動サポート生成ソフトウェアを活用し、AMの可能性を最大限に引き出し、LPBF生産における不確実性を解消してみませんか?


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