CASE STUDY

Materialise e-Stageの実力-Shree Rapid Technologies社はサポート生成のための樹脂材料消費量を50%削減

4 分で読めます|出版 5月 5, 2022
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企業にとって、熟練技術者と作業時間は大切であり、無駄にしたくないものです。 Shree Rapid Technologies (SRT) 社ががSLAとDLPマシンでパーツ造形をする工程において、工数削減はとても重要な課題でした。 以前は、サポート生成は自動で行われていたものの、サポートが正しく生成されているかどうか、訓練を受けたエンジニアが再確認する必要がありました。にもかかわらず、これらの造形物では、時折、造形不良が起きるといった事態が発生しました。

しかし、SRT社はMaterialise e-Stageを導入することにより、このプロセスを自動化することに成功しました。このソフトウェアのアルゴリズムと豊富なパラメータ設定により、サポート構造に使用する材料を50%削減、また、造形時間を短縮することもできたのです。これにより、造形失敗はなくなり、工数と材料消費の面で大幅なコスト削減を実現しました。

チャレンジ

サポート生成時の時間短縮とマニュアルでの作業労働時間の軽減

2007年にインド・ムンバイに設立されたSRT社は、デジタルワークフローのためのエンドツーエンドソリューションを提供する業界のリーダーです。同社の専門知識は、3Dスキャンやリバースエンジニアリングから3Dプリントに後処理と多岐にわたります。SRT社は、独自のカスタマー・イノベーション・センター(CIC)より、さまざまな3Dプリント技術を提供しています。そして顧客は、このCICでいくつかの業界におけるさまざまなプロセス、材料、デザイン、およびアプリケーションを実際に体験できます。

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インド・ムンバイにあるShree Rapid Technologies社の従業員。写真提供:Shree Rapid Technologies社

同社は、自動車部品やコンシューマー製品電気設備などを中心に週200点のパーツを造形し、限られた技術スタッフと設備で需要に対応しています。しかし、急な依頼や短納期案件への対応とは別に、同社ではSLA機やDLP機を扱う中で、慢性的な課題も抱えていました。具体的には、手間のかかるサポート生成や、時折発生する造形不良です。それは、自由曲面やソリッド形状、壁厚が薄いパーツを生成する際に発生しました。

熟練のエンジニアやアプリケーションスペシャリストは、造形時に発生するサポート構造にマニュアル作業で対応する必要があり、貴重な時間とリソースを費やす必要がありました。この根本的な問題と、絶え間なく寄せられるリクエストは、チームを別の方法で解決する方向へと導きました。

ソリューション

サポート生成の自動化により、造形品質が向上

サポート生成の自動化は問題解決への一番の近道だと考えました。しかし、SRT社はどのようにして自分たちの要求に合ったユニークなソリューションを見つけることができたのでしょうか。偶然にも、その答えは身近なところにありました。SRT社は10年以上にわたり Magics を愛用してきましたが、 Materialise e-Stageはまだ使用したことがありませんでした。ところが、同社はMaterialiseのウェビナーや展示会、口コミなどをきっかけにe-Stageを知る機会を得て、徐々に興味を持つようになりました。SRT社はe-Stageについては、その概要を理解した上で、その信頼性を評価するために、実際にソフトウェアを試してみることにしました。

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Materialise e-Stageは、スマートなアルゴリズムと豊富なパラメータ設定により、完全に自動化されています                  出典:Shree Rapid Technologies社

Shree Rapid Technologies社はジュエリーのパターンを3Dプリントする際に初めてe-Stageを使用しました。同社は、自動化されたソリューションを使用することで、その効果を実感しました。Materialiseのアプリケーションエンジニアは、サポートパラメータを微調整し、3Dプリント技術、樹脂の特性、パーツの形状に基づいて最適化しました。これにより、サポート生成が自動化され、すべてのビルドが正常に生成されるようになりました。

Materialise e-Stageにより、材料使用量の削減、サポート生成の完全自動化、サポート削減によるパーツ品質の向上、処理時間の短縮が実現しました

— Shree Rapid Technologies社のビジネスパートナーであるNitin Chaudhari氏。

評価の結果、チームはe-Stageが最適なソフトウェアであることを確信しました。それは、効率性と大幅な時間短縮、そしてチームの期待を上回る造形の品質が理由に挙げられます。

結果

自動サポート生成により、時間や材料の消費を削減

プロセスの完全な自動化は、他のOEMソフトウェアと比較して、消費材料を50%削減、造形時間は10~15%も短縮されました。また、複数のパラメータを設定・最適化ができるため、サポート生成・処理時間も大幅に短縮されました。

また、サポートの品質も大幅に向上しました。必要なときに必要な分だけサポートを生成し、最低限の仕上げ作業により、安定してマシンへの出力ができるようになりました。更に、パーツとの接点が針のように細いため、サポートの取り外しが容易になりました。より信頼性の高い造形が可能になったことで、複雑なデザインでの造形失敗が大幅に減少しました。

その一例が、大手自動車メーカーから受注した、ダッシュボードとバンパーの3Dプリントによるプロトタイプ作成です。SRT社のビジネスパートナーであるNitin Chaudhari氏は「このような造形物の場合、デザインが大きく複雑であるため、サポート生成が非常に重要でした。」と述べています。

e-Stageはその優れたアルゴリズムに基づき、針状のサポートとの接点となるべき重要な箇所をすべて特定しました。さらに、この大きなパーツの重量を支えるために、足場のような構造にすることでサポートを強化しました。その結果、チームは最高の品質で3Dプリントされたパーツを約65~70時間という記録的な速さで造形、お客様に納品することができました。このような複雑な形状の大型部品を3Dプリントするのは初めてのことで、SRT社はこのソフトウェアの有用性と重要性がより強く認識するようになりました。

「Materialise e-Stageは、材料使用量の削減、サポート生成の完全自動化、サポート削減によるパーツ品質の向上、造形時間の短縮を実現しました。特に、サポートは必要な場合にのみ生成されるため、除去プロセスがはるかに簡単かつ迅速になりました。このソフトウェアのおかげで、人為的なミスが削減、エンジニアにかかる物理的・時間的なプレッシャーが軽減され、私たちは限界を超えることができました」とNitin Chaudhari氏は述べています。

このようにe-Stageの実力は証明されましたが、SRT社が最も驚いたのはコストの削減でした。今では、その成果によって、生産工数が減り、材料も大幅に節約された最終製品が提供されています。

抱えていた問題すべてが改善したため、 SRT社は、すぐにさまざまな分野の他の3Dプリントパーツ造形にも、このソフトウェアを導入しました。そしてSRT社は一貫してDLPおよびSLAマシンでe-Stageを使用し、お客様向けにより良いベンチマーク作成とプロトタイプの造形を行っています。このソフトウェアにより、良い結果が生み出され、同社のより信頼性の高い造形物作成も可能になりました。将来的には、SRT社のアプリケーションチームは金属3Dプリントでe-Stageを使用することを計画、さまざまな造形物の可能性を探っているところです。SRT社は、e-Stageはこれからのどのような課題にも対応できると確信しています。


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上記CASE STUDYについて

業界

Resin 3D printing

ソリューション

Materialise e-Stage

Materialise Magics

アプローチ

Automated support generation

Reduced time, labor, and material consumption

Improved build quality

Design freedom

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