シアトルチルドレンズ病院、StratasysやMaterialiseと協力してCOVID-19の資源不足に対応

シアトルチルドレンズ病院がCOVID-19への対応を計画している最中、最高調達責任者のGreg Beach氏と臨床工学チームは、ヘルメットにシールドを固定する小さなクリップが不足していて、ヘルメットが使えなくなる可能性があることに気づきました。これらのヘルメットは、重要な保護具であり、現地での供給が非常に少なく、世界的にも需要が高い状態にありました。すべての病院が直面する供給の大きな遅れを考えると、早急な解決策が必要でした。 

イノベーション・イメージングおよびシミュレーション・モデリングのマネージャーである、Seth Friedman氏は、手術計画のワークフローを迅速に活用しました。スタッフの多くがオフサイトで作業していたため、迅速かつリモートで行う必要がありました。Friedman 氏は電話で Beach 氏にクリップのサンプルを放射線科に渡すように指示し、技術者と放射線科医が小さな部品を最適に画像化するために Siemens Force CT スキャナをセットアップしました。 

MaterialiseのソフトウェアMimics Medical と3-matic Medicalで30分ほどかけて画像処理した後、Friedman氏は印刷に必要な4つのファイルをグループの共有のSmartsheetデータベースにエクスポートしました。そして、次のステップは、パーツを再現するのに最適なプリンターを特定し、プロダクトデザインエンジニアを割り当ててファイルを取得し、樹脂のプロトタイプを3Dプリントすることでした。 

翌朝、Friedmanは印刷された小さな部品を集めて、臨床運用マネージャーのDavid Anderson氏に渡しました。ピースはぴったり合いました。シンデレラの物語のように部品がはまり、迅速な対応と協力によって革新的な解決へと導くことができました。 

しかしながら、施設には継続的にプリントするための適切なリソースがなかったため、生産を拡大する方法を見つけなければなりませんでした。運良く、Stratasys社がこのプロジェクトについて聞きつけ、Friedmanに連絡を取りました。彼らは、新しいステレオリソグラフィープラットフォームであるV650 Flexで、高精細硬質樹脂（Somos Next）を使ってバッチ印刷することを提案しました。カリフォルニアに拠点を置くStratasysのJP Velascoは、2つの大ロットの部品を印刷して洗浄し、一晩でシアトルチルドレンズ病院に出荷しました。 

これは、モデリングパラメータの最適化、生産の促進、および材料選択のガイドなど協力してくれるパートナーがいてこそなしえたもので、シアトルチルドレンズ病院のチームに大きな安心感をもたらし、患者に安全なケアを提供し続けることを可能にしました。そして、このような影の共有の取り組みとその努力が、小さな部品から目に見える違いをもたらしているのです。